インドネシアのPT PALは5月29日に,フィリピン海軍向けの輸送艦(SSV: Strategic Sealift Vessel)ことタルラックTarlac級の4番艦を起工した。同 級は2014年6月に9,200万ドルで1,2番艦を受注,1番艦タルラックが2016 年6月,2番艦ダバオ・デル・スルDavao del Surが2017年5月に就役済み。 その後,2022年6月に2隻を追加受注しており,今回の艦はそのうち2隻目に あたる。1隻目(通算3番艦)は2024年1月に起工済み。
中国・武漢の武昌船舶重工集団(Wuchang Shipbuilding)で4月26日に,パ キスタン海軍向けハンゴーHangor級潜水艦の1番艦が進水した。同級は中国海 軍向けの元Yuan型(039A/041型)を輸出向けとしたモデルで,S26型ともい う。これを中国とパキスタンで4隻ずつ建造,2022~28年に就役させる計画。 AIPを搭載しており,排水量2,800トン,全長76メートル。 なお,S26型は以前にタイ向けに輸出する話があったが,ドイツがMTU396デ ィーゼルの輸出を拒否。中国が代替として提案したCHD620ディーゼル機関の搭 載をタイ側が拒否したことで,輸出の話は暗礁に乗り上げた。今回のパキスタ ン向けで,MTU396の搭載が実現するかどうかは定かでない。
トルコのバイカルは6月1日に,バイラクタルTB3無人機が通算46回目の飛 行試験で,初めてスキー・ジャンプ勾配からの発進を試験したと明らかにし た。同機はトルコ海軍の強襲揚陸艦アナドルAnadoluでの運用を想定してお り,そのために不可欠の試験。使用したスキー・ジャンプの勾配は12度。
トルコのセデフ造船所で5月20日に,トルコ海軍向けイスタンブール İstanbul級フリゲイトの2番艦イズミットIzmit(F516)を起工した。同級は MILGEM 06-08という計画名称のとおり,MILGEM(Milli Gemi Projesi)型の拡 大発展モデルで,2023年に2~4番艦を受注している。
カナダ海軍向けの砕氷警備艦AOPS(Arctic and Offshore Patrol Ship)こ とハリー・デウォルフHarry DeWolf級の4番艦ウィリアム・ホールWilliam Hall(AOPV433)の就役式典が,5月16日にハリファックスで挙行された。引 渡しは2023年8月に行なわれていた。なお,そのAOPSが今年のリムパック演習 に参加すると報じられている。
ベルギー国防省は,オランダとベルギーが共同で進めている掃海艦建造計画 に遅延が生じていることを明らかにした。主な原因は,COVID-19のパンデミッ クと,ウクライナでの戦争に起因する資材調達の困難。 ベルギー向けの1番艦オーステンデOostende(M940)は本年12月23日の引渡 しを予定していたが,8カ月の遅延が見込まれる。オランダ向けの1番艦ブリ シンゲンVlissingen(M840)は2025年6月の引渡しを予定していたが,これも 5~6カ月の遅延が見込まれる。続くベルギー向けのトゥールネーTournai (M941)とオランダ向けのスヘーヴェニンゲンScheveningen(M841)も,1~ 2カ月の遅延が見込まれる。それに続くベルギー向けブルッヘBrugge (M942)は予定どおりに,2026年12月に引渡しとなる見込み。
5月14日にフィンカンティエーリのリヴァ・トリゴーゾ造船所で,イタリア 海軍向け新型海洋観測艦(NIOM:Nave Idro-Oceanografica Maggiore)の起工 式が行なわれた。1975年に就役したアミラリオ・マニャーリAmmiraglio Magnaghi(A5303)の代艦。 また,5月18日にフィンカンティエーリのカステッランマーレ・ディ・スタ ービア造船所で,イタリア海軍向けの新型補給艦LSS(Logistic Support Ship)ことブルカノVulcano級の2番艦アトランテAtlanteが進水した。同級は フィンカンティエーリとレオナルドが合同で受注しており,アトランテは2025 年の引渡しを予定している。 5月25日にフィンカンティエーリのリヴァ・トリゴソ造船所で,イタリア海 軍向けFREMM(Fregate Europee Multi-Missione)フリゲイトの殿となる10番 艦エミリオ・ビアンキEmilio Bianchiが進水した。艦名は第2次大戦中に港湾 襲撃で活躍した海軍の潜水員にちなんでおり,その息女であるマリア・エリザ ベッタ
ドイツ海軍向けのK130型ことブラウンシュヴァイクBraunschweig級コルベッ トのうち,バッチ2の3隻目にあたるカールスルーエKarlsruheが進水した。 同級はNVLグループが主導,ティッセンクルップ・マリン・システムズ (TKMS)とドイツ造船所が参画するARGE K130コンソーシアムが主契約社。ま ず2008~13年にバッチ1の5隻が就役。続いてバッチ2として5隻の追加が決 まり,2017年9月に22億ユーロ(23億9,000万ドル)の契約を発注した。 そのバッチ2のうち,ケルン Köln(F265)とエムデンEmden(F266)が就役 済み,今回のカールスルーエは艤装に移行,さらにアウグスブルクAugsburgと リュベックLübeckが続く。ただし,指揮管制・武器管制のサイバー・セキュリ ティ問題から,スケジュールに遅れが生じている。
6月3日にNVLグループ傘下のペーネ造船所で,ドイツ海軍向け126型フリゲ イト1番艦の起工式が行なわれた。同級は4隻の建造を計画しており,2028年 半ばから2032年に納入する予定。建造は分業体制で,ペーネ造船所は後部,キ ールのドイツ造船所は前部の船体を製造,それをハンブルクのブローム・ウン ト・フォス(B+V)に搬入して接合するとともに,兵装やセンサー機器などの 艤装を実施する。
英海軍は23型フリゲイトのうち,アーガイルArgyll(F231)とウエストミン スターWestminster(F237)を退役させる方針。このうちアーガイルはBAEシス テムズに売却して,グラスゴーのクライドにある訓練施設(Clyde Shipbuilding Academy)で造船分野の訓練教材にする。一方,ウェストミンス ターはスクラップ処分とする。 このほか,オーストラリア海軍が5月18日に,アンザックAnzac級フリゲイ トのネームシップについて,西オーストラリアのスターリング基地で退役式典 を挙行した。新造艦に予算を回すため,早期退役させることになったと伝えら れている。
グラント・シャップス英国防相が,5月14,15日に開催された海洋戦力に関 するカンファレンスの席で,英海軍の26型フリゲイトと31型フリゲイトに対地 攻撃能力を付与する構想を明らかにした。 このうち26型は,当初からMk41垂直発射システム(VLS)を搭載する設計だ が,すでに建造が進んでいる31型はVLSを持たないため,バックフィットを実 施する。ただし,そこに搭載するミサイルの機種は未確定。RGM-109トマホー クに加えて,欧州製のNSM(Naval Strike Missile)やFC/ASW(FCASWとも。 Future Cruise/Anti-Ship Weapon)を搭載する可能性もある。 また,イギリスでは国防費の対GDP比を2.5パーセントまで引き上げることで 財政的な裏付けが実現したのを受けて,潜水艦を含む艦艇28隻を建造する“ Golden Age shipbuilding”の推進を発表した。すでに計画が進行している, 26型や31型,アスチュートAstute級攻撃原潜,ドレッドノートDreadnought級 戦略原潜,新型補給艦FSS(Fleet Soli
タタールスタンのゼレノドリスクにあるゼレノドリスキー造船所で5月7日 に,ロシア海軍黒海艦隊向けの艦艇2隻が進水した。内訳はカラクルート Karakurt型(22800型)ミサイル艇が1隻と,22160型OPV(Offshore Patrol Vessel)の5番艦ヴィクトル・ヴェリーキーViktor Velikiy。 22800型は4隻が就役しているが,そのうち1隻はケルチでウクライナ軍の 攻撃によって大破,残り3隻は極東方面に配備されている。さらに12隻を建造 中で,2024年中に3隻の納入を見込んでいる。
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