11月25日,防衛省防衛研究所は,「中国安全保障レポート2023」を公表した。2023年版のテーマは「認知領域とグレーゾーン事態の掌握を目指す中国」で,中国の影響力工作やグレーゾーン事態における行動がどのようなものか,またこれらの活動の強化の背景にあるものは何か,ということを論じた。また,海警や海上民兵の動向についても解説している。
11月29日,日米共同情報分析組織の運用開始式典が米軍横田基地で行なわれた。この組織は日米の情報収集アセットが収集した情報を共同で分析するためのもので,情報収集および警戒監視分野などでの両国の協力の深化と抑止力・対処力の強化が期待される。
海上自衛隊は,11月16および19日,ハワイの米海軍ミサイル試験施設(PMRF)において,護衛艦“まや”“はぐろ”によるスタンダードSM-3ミサイルの発射試験に成功した。 これらは2隻の装備認定試験(CSSQT)の一環として実施されたもので,“まや”はSM-3ブロックIIA(写真)を,“はぐろ”は同SM-3ブロックIBを1発ずつ発射し,大気圏外において弾道ミサイル標的を撃墜した。わが国のイージス艦がSM-3ブロックIIAを発射したのは今回が初めてのこと。 なお,”はぐろ”はSM-3と合わせてSM-2ブロックIIIB SAMも発射し,IAMD(Integrated Air and Missile Defense)の試験を成功させたほか,21日にはEOR(Engage on Remote)機能を用いたミサイルの実発射を伴わない追尾試験も実施した。
11月19日〜12月8日,海上自衛隊は以下のとおり,各国と共同訓練を実施した。 ▷日米豪共同訓練。11月19〜20日,関東南方から四国南方の海空域で実施。参加部隊は海自が護衛艦“せとぎり”,米海軍が空母1隻,巡洋艦1隻,駆逐艦1隻。オーストラリア海軍が補給艦1隻。訓練項目は各種戦術訓練(対空戦,対水上戦,洋上補給など)。 ▷日米共同訓練。11月21日,相模湾で実施。参加部隊は海自が護衛艦“やまぎり”,米陸軍がUH-60L多用途ヘリコプター2機。訓練項目は発着艦訓練。 ▷日フィリピン親善訓練。11月26日,フィリピンのスービック周辺で実施。参加部隊は海自が護衛艦“はるさめ”,フィリピン海軍が哨戒艦1隻。訓練項目は戦術運動など。 ▷対潜特別訓練。12月6日,関東南方の海空域で実施。参加部隊は海自が護衛艦“いずも”,P-1哨戒機,潜水艦,米海軍がP-8A哨戒機,MH-60R多用途ヘリコプター。主要訓練項目は対潜戦。
11月10〜19日,自衛隊と米軍は,南西諸島周辺などわが国周辺の海空域等において,令和4年度日米共同統合演習(実動演習,Keen Sword 23)を実施した。本演習はグレーゾーンから武力攻撃事態における一連の状況を想定したもので,イギリス,カナダ,オーストラリア も加わった。 主な参加部隊は日本が艦艇約20隻,航空機約 250機,アメリカが艦艇約 10隻,航空機約 120機,イギリスが艦艇1隻,カナダが艦艇2隻,航空機1機,オーストラリアが艦艇1隻,航空機1機。今回の演習には第5世代戦闘機であるF-35,陸上自衛隊のV-22等の新規装備品や日米の宇宙作戦部隊,米陸軍のマルチドメイン任務部隊が参加し,水陸両用作戦や陸海空に係る作戦,統合後方補給,宇宙,サイバーおよび電磁波に関する領域と従来の領域の連携に係る訓練を行なった。
12月21日,令和2年度計画による“もがみ”型護衛艦の6番艦”あがの”が三菱重工長崎造船所で進水した。基準排水量3,900トン。
12月15日,令和元年度(2019年度)計画による“もがみ”型護衛艦の3番艦“のしろ”が,三菱重工長崎造船所で就役した。なお本年度内(3月頃)には同じく令和元年度計画による4番艦“みくま”も就役の予定である。基準排水量3,900トン。配属先は護衛艦隊直轄第13護衛隊(定係港は佐世保)。
11月15日,中国海警所属の公船4隻が尖閣諸島周辺海域の接続水域に出現し,さらに同25日,これら4隻は同諸島の領海に侵入した。このうち1隻の海警2204は,76ミリ単装砲を搭載する718B型(ジャオジュンZhaojun型,満載排水量1,750トン)と見られる。尖閣諸島の接続水域および領海で,同砲搭載中国公船を確認するのはこれが初めてのこと。
12月2日に成立した海保所管の令和4年度補正予算の概要については2023年1月号で紹介したが,同予算で増強分として新造される練習船の特徴が明らかになった。 事業名は「ヘリコプター搭載型巡視船(練習船)」で,総事業費は186億円(同補正予算では55億円を計上),引渡しは令和8年度の予定である。ヘリコプター搭載施設および同甲板を有し,兵装として40ミリおよび20ミリ機銃を装備する。 総トン数は現時点では明らかではないが,公表されたイメージ写真に約6,000総トンのヘリコプター巡視船“みずほ”(PLH-41)が用いられていることや総事業費の金額から,相応の大型船となる見込みである。本船は高い実習能力に加え,海上保安業務の遂行に必要な船体性能(耐航性,長期行動能力など),昼夜を問わない広域的な監視採証能力,制圧能力,意思伝達能力,情報処理能力などを備えるとされ,学生や海上保安官に対して,より実践に近い実習・訓練を行なうことができる能力を持つという。 なお,これとは別に,同補正予算案では増強分として「ヘリコプター搭載型巡視船(PLH型)」(6,000トン型)1隻(総事業費203億円,令和8
12月5日,巡視船“くろかみ”(PM-96)が解役された。本船は,“あまみ”型の2番船“まつうら”として平成5年度第1次補正計画により日立神奈川で建造され,7年11月24日に竣工した。最終配属先は徳山海上保安部(第6管区)。公称船型は350トン型で,総トン数は249トン。
11月25日,巡視船“きりしま”(PS-04)が解役された。本船は,“しんざん”型の4番船として平成元年度(1989年度)計画により日立神奈川で建造され,3年3月22日に就役した。平成13年の九州南西海域工作船事件で活躍したことでも知られる。最終配属先は日向海上保安署(第10管区)。公称船型は180トン型で,排水量は179トン。
12月21日,令和2年度(2020年度)第3次補正計画による新造巡視船“きりしま”(PS-22)がジャパン マリンユナイテッド横浜事業所鶴見工場で引き渡された。 本船は“らいざん”型の18番船で,ディーゼル機関とウォータージェットの組合せにより,35ノットを発揮する。公称船型は180トン型。総トン数197トン。配属先は宮崎海上保安部(第10管区)。
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