艦船ニュース
7月18日に,インド国産の潜水作業支援船(DSV:Diving Support Vessel)ニスタルNistarが就役した。建造所はヴィシャカパトナムのヒンドスタン造船所,配備先は東部海軍司令部(ENC:Eastern Naval Command)。2隻目も建造中である。排水量10,000トン+,全長118メートル,幅23メートル,巡航速力14ノット,乗組員250名(うち士官25名)。DSRVを搭載して,潜水艦救難艦として運用することもできる。 なおインド海軍は2016年に,英ジェームズ・フィッシャー&サンズ傘下のJFDに2隻のDSRVを1億9,300万ポンドで発注して取得済みで,このDSRVは2021年4月にインドネシアの209/1300型潜水艦ナンガラNanggala(402)が行方不明になった時に出動したことがある。(Naval News 2025/7/19)
ナバンティアは,カナダ海軍の次期潜水艦調達計画CPSP(Canadian Patrol Submarine Project)向けにS-80型潜水艦をアピールするため,専用Webサイトを設けている(https://s80.ca/)。そこに記された公表諸元は,水上排水量2,695トン,水中排水量2,965トン,全長81メートル,幅11.6メートル,吃水6.3メートル,連続行動日数50日,乗組員32名(さらに特殊作戦要員8名が乗艦可能)。建造はスペインで行なうとしている。
7月1日にポーランドのグダニスクで,ポーランド海軍向けの情報収集艦イェジ・ルジツキJerzy Różyckiが進水した。艦名は,暗号解読部門に勤務して,エニグマ暗号の解読に貢献した数学者にちなんでいる。 本艦はSIGINT(Signal Intelligence)が主任務で,DELFIN計画の下で2隻の建造を計画しているうちの1隻目。スウェーデン海軍のアルテミスArtemisをタイプシップとしている。2023年4月に鋼材切出しを開始して,同年11月に起工していた。(Saab 2025/7/1)
フィンカンティエーリが7月15~16日にインドネシアのジャカルタで,イタリア海軍の軽空母ジュゼッペ・ガリバルディGiuseppe Garibaldiをインドネシア向けのヘリコプター空母に改修する提案に関する説明会を実施した。有人のヘリコプターだけでなく,無人機も搭載するとしている。(Jane's 2025/7/23)
フィンカンティエーリのリヴァ・トリゴソ造船所で7月8日に,イタリア海軍向けFREMMフリゲイトの改良型であるFREMM EVO2隻中の1隻目が起工された。2029年の引渡しを予定している また,当初の予定より3カ月早い7月31日に,イタリア海軍向けFREMMフリゲイトの10番艦エミーリオ・ビアンキEmilio Bianchi(F589)が引き渡された。これはエジプト向けに転用されたFREMM2隻の代替2隻の2隻目で,対潜戦能力を強化した「対潜戦強化型」と呼ばれるモデル。この後に,前述のFREMM EVOが続くことになる。(Fincantieri 2025/7/8,同2025/7/31)
ドイツ海軍の新型水上戦闘艦ニーダーザクセンNiedersachsen級こと126型フリゲイトのうち,1番艦は2024年6月3日にNVLグループ傘下のペーネ造船所で起工しており,当初の計画では2028年半ばの納入を予定していた。 ところが,起工後の工程進捗がはかばかしくない。これは,設計を担当しているオランダのダーメン・ナヴァルと,実際の建造するドイツの造船所の間の情報システム・インターフェースの問題が原因とされる。このためドイツの議会関係者からは,計画を中止して他の計画に予算を振り向けるべき,との意見も出ているという。 しかも,建造が進んでマイルストーンを達成しなければ支払いを受けることができないため,建造の遅延は,主契約社であるダーメン・ナヴァルの財務状態にも悪影響を及ぼしている。(Naval News 2025/7/16)
フランスのCMN(Constructions Mécaniques de Normandie)が,USVのUHSI32 MkⅡIIを開発,実証試験を成功裏に実施した。情報収集・監視・偵察,対機雷戦,警戒監視といった用途を想定している。 UHSI32 MkⅡは,アンシュッツ製の航法・管制システムを,CMN製の高速要撃艇HSI32インターセプターに組み合わせて無人化したもの。つまり,RHIBを無人化した,ラファエル・アドバンスト・ディフェンス・システムズのプロテクターUSVと同じアプローチといえる。(Naval News 2025/7/15)
フランス海軍の新型攻撃原潜シュフランSuffren級の3番艦トゥールヴィルTourville(S637)が7月4日に就役,現役艦の一員に加わった。同艦の領収は2024年11月に実現していた。(Naval News 2025/7/11)
英国防省はMHC(Mine Hunting Capability)計画の一環として,2023年5月にアイランド・オフショア社から,全長96.8メートルの洋上作業支援船アイランド・クラウンIsland Crownを購入,船名をスターリング・キャッスルStirling Castleと改めて,王立補助艦隊(RFA:Royal Fleet Auxiliary)に配備した。これは,機雷掃討母船として各種無人相当システムを運用するのが目的。 そのスターリング・キャッスルがRFAから海軍に移管され,7月21日にバーケンヘッドのウェスト・フロート・ドックで,移管・就役の式典が行なわれた。艦名は同じだが接頭辞が“HMS”に変わり,ホワイト・エンサインを掲げることになる。母港はポーツマス。 MHC計画のうちブロック1では,機雷を捜索・掃討する無人ヴィークル群を配備することになっており,英仏共同のMMCM(Maritime Mine Counter Measures)計画向けに開発された掃海システムMAUV(Medium Autonomous Underwater Vehicle)
英海軍最後の現役トラファルガーTrafalgar級攻撃原潜であったトライアンフTriumphの退役式典が,7月半ばにプリマスのデヴォンポート基地で行なわれた,これで,英攻撃原潜はアステュートAstute級のみとなった。 そのアステュート級のうち,ネームシップのアステュートが,デヴォンポートにあるバブコック社の施設に到着した。これは,MLRP(Mid Life Re-Validation Period)と呼ばれる寿命中途近代化改修を実施するため。同艦は,2010年の就役から15年が経過している。(The War Zone 2025/7/21,Jane's 2025/7/7)
イギリスとオーストラリアの国防相が,オーストラリアのヴィクトリア州ジーロングで会合を開き,SSN-AUKUS攻撃原潜の開発・建造に関わる協力について取り決めるパートナーシップ・協力条約(Nuclear-Powered Submarine Partnership and Collaboration Treaty。別名ジーロング条約)を締結した。 この条約は,SSN-AUKUSの設計・建造から運用・廃棄までをカバーするほか,人材養成やインフラ整備も対象とするもので,期間は50年間。また,英海軍のアステュートAstute級攻撃原潜による,オーストラリアのスターリング基地へのローテーション展開もサポートする内容となる,と説明されている。 両国の国防相は「この条約署名は,アメリカがAUKUSの枠組みから手を引いた場合に備えた,英・豪が独自に計画を進めるための代替協定というわけではない」と強調している。(MoD UK 2025/7/26)
イズベスチヤ紙によると,ロシア海軍では空母アドミラル・クズネツォフAdmiral Kuznetsovの近代化改修工事を断念する模様。これについて7月に「近いうちに,ロシア海軍と統一造船会社(USC:United Shipbuilding Corp.)が最終決定を下す」と報じられた。しかし8月初頭の時点で,まだ確定した発表はないようだ。 同艦は,2017年2月に航海を終えた後で近代化改修の作業に入り,当初は8億ドルの予算が割り当てられた。ところが同年10月に予算が半分にカットされ,センサーや兵装といった戦闘システムの改良は頓挫。プラットフォーム部分に限定して作業を行なうことになった。しかも作業用のドックに空きがなく,PD-50浮ドックの使用を余儀なくされた。そして2028年10月に,そのPD-50が沈没する事故が発生。2019年12月には火災事故にも見舞われている。(Jane's 2025/7/17)
Showing 12 of 4150 total posts