米サンストーン・マリタイム・グループの小型探検クルーズ船ダグラス・モーソンDouglas Mawsonの進水式が,11月29日,中国招商局重工(江蘇)海門で行なわれた。連続建造されてきた「インフィニティ・クラス」の7番船で,これが最終船となる。2025年8月に竣工後,豪オーロラ・エクスペディションに長期チャーターされ,同年秋にデビューする予定。8,178総トン,全長約104メートル,船客約170人で,ノルウェーのウルシュタインが開発を手掛けたXバウを採用し,極地クルーズに対応するためポーラークラス6(PC6)を取得する。 (SUNSTONE)
ノルウェーのフッティルーテン・グループは11月28日,フッティルーテンとHX(フッティルーテン・エクスペディション)がそれぞれ別々の投資家グループに買収されたと発表した。手続きは2025年1月には完了し,フッティルーテンとHXは異なる事業体として存続する。売却によって大幅な負債削減を含め5億ユーロを超える新規資本を調達。経営環境を改善して各事業の成長分野に投資し,注力する。フッティルーテンは沿岸急行船で知られ,10隻のカーフェリー型客船を運航してノルウェー沿岸航路を担っている。ただ最近は新規参入したハヴィラ・ヴォヤージとの厳しい競合の中で,投資がHXへ振り向けられることが多いと伝えられていた。HXは新造船と沿岸航路船を改造した5隻で極地探検クルーズを行なっている。 (HX)
川崎汽船は11月26日,ノルウェーのCCS事業会社ノーザン・ライツ社向け新造液化CO2(LCO2)船ノーザン・パイオニアNorthern Pioneerの引渡し式が,同22日に中国大連船舶重工集団で行なわれたと発表した。本船は川崎汽船の英子会社KラインLNGシッピングが管理を担い,ノルウェーのCO2回収施設からノ社の同国受入基地まで,世界初となるCO2回収貯留(CCS)プロジェクトでLCO2本格輸送に従事する。川崎汽船ではノ社発注のLCO2船4隻のうち,本船を含む3隻を裸用船および定期用船する。10,747総トン,全長130メートル,幅21メートル,主機LNG二元燃料ディーゼル1基で,CO2排出抑制のためローターセイルと空気潤滑システムも備える。カーゴ・タンク容量は7,500立方メートル,最大圧力19バール,最低温度-35℃で輸送可能。 (川崎汽船)
米アメリカン・クルーズ・ラインの新造船アメリカン・レジェンドAmerican Legendが,11月25日,フロリダでデビューし,フロリダ半島やメキシコ湾岸の7泊クルーズに就いた。米チェサピーク造船所建造の“コースタル・キャッツ”と呼ばれる沿岸用小型双胴クルーズ客船シリーズの4番船。全室バルコニー付きのシングルを含む5タイプの客室を備え,船客100人を収容する。姉妹船に2023年就航のアメリカン・イーグルAmerican Eagle,アメリカン・グローリーAmerican Glory,2024年就航のアメリカン・リバティAmerican Libertyがある。 (AMERICAN CRUISE LINES)
ウインドスター・クルーズの「スター・クラス」で初となる新造船スター・シーカーStar Seekerが,去る11月25日,ポルトガルのウエスト・シー造船所で進水した。2025年12月に引き渡され,同28日マラガ(スペイン)発マイアミへのクルーズでデビューする予定。9,315総トン,長さ131.5メートル,幅19メートル,主機ロールスロイス・ハイブリッド推進システム,推進器プロマス推進システム,航海速力12ノット,船客定員224名(スイート客室112室),乗員135名。耐氷構造の船体を持ち,NOx排出3次規制適合主機や陸上電源受給設備,廃水処理システムも備え,環境負荷を低減している。2026年1月の命名式後はカリブ海で運航し,夏期はアラスカをクルーズ,その後9~10月に日本クルーズを実施する予定になっている。 (WINDSTAR CRUISES)
石垣市は石垣港と台湾の基隆を結ぶ定期航路を開設する。11月25日に韓国パンスターと,カーフェリー,パンスター・ドリームPanstar Dream(21,535総トン,船客545人,1997年竣工,元さんふらわあ くろしお)の買船契約を結んだと発表した。購入金額は約30億円とされ,国の沖縄離島活性化推進事業を活用する考え。購入者は石垣市の「商船やいま」で,市が主導して9月に設立され,社長に石垣市商工会の大濱達也会長が就任している。同船は現在釜山〜大阪航路に就航中だが,新造船の就航で引退後2025年6月に引渡しを受け,改装を経て秋の就航を目指している。計画では片道約8時間の夜行便で週3往復し,料金は1万円から数万円程度で検討されている。運航管理などは台湾のワゴン・グループに委託し,集客,貨物扱いを商船やいまが担う。市では農畜産物の輸出,台湾からの誘客など採算性や将来性を強調しており,運航初年度に年間5,000万円の黒字を見込めるとしている。 (PANSTAR CRUISES)
米ノルウェージャン・クルーズ・ラインはノルウェージャン・スピリットNorwegian Spirit(75,904総トン,船客1,972人,1998年竣工)で予定している2025年のアジア・クルーズの寄港地を変更した。11月に報道された7月実施の11泊クルーズは,当初台湾の基隆から高雄,花蓮,香港,那覇,宮古島,神戸,清水,最終港の東京へ向かうコースだったが,出発地を韓国の仁川として済州島に寄港後,長崎,鹿児島,広島,高知,姫路,大阪,名古屋と日本寄港を大幅に増やした。清水と最終港東京はそのまま。同社では台湾,中国方面を日本寄港に変えたことについて,旅程を充実させるためとしている。 (NCL)
常石造船は11月22日,常石工場で世界初の65,700重量トン型メタノール燃料撒積船「TESS66 AEROLINE」を進水させたと発表した。TESS66の高い積載および燃費性能を生かしつつ,メタノール燃料による環境負荷を低減したタイプ。大容量メタノール・タンクは船尾甲板上に配置して荷役の安全性と容易さの維持と積載性能を確保し,ウルトラマックスBCで最大級の貨物倉容量81,500立方メートルを誇る。高効率主機や独自の風圧抵抗低減技術「AEROLINE」により,燃費性能も向上した。メタノール燃料によりNOx最大約80パーセント,SOx最大約99パーセント,CO2最大約10パーセントの排出を削減,さらにグリーンメタノールの使用でカーボン・ニュートラルも実現可能。2025年春竣工の予定で,環境負荷の軽減に寄与する。 (ツネイシホールディングス)
飯野海運は11月20日,ボレアリスAG社が長期用船しているLPG二元燃料VLGCオセアヌス・オーロラOceanus Auroraに,ノルスパワー社(ノルウェー)製ローターセイル2基の搭載をロッテルダムで完了したと発表した。今回搭載したローターセイルは高さ20メートル,直径4メートルで,主要航路であるヒューストン(米)~ステヌングスンド(スウェーデン)/ポルヴォー(フィンランド)のエアドラフト制限を満たす特別設計となっている。モーター回転するシリンダーと風によるマグヌス効果によって推進力を生み,燃料消費量とCO2排出量を約4パーセント削減できる見込みで,燃費実績格付け制度(CII:Carbon Intensity Indicator)などの国際的CO2排出量削減規制に対応する。 (NORSEPOWER)
米ディズニー・クルーズ・ラインの新造船ディズニー・トレジャーDisney Treasureの命名式が,11月19日,ニューヨークのハドソン川で挙行された。式典ではお馴染みの「アラジン」「モアナ」などの物語をテーマにした光のドローンショーが繰り広げられ,命名は世界中のディズニーのキャストやクルー,従業員全員がゴッドペアレントとなり行なわれた。12月21日からポート・カナヴェラル発着カリブ海クルーズに就航した。144,256総トン,船客2,476人,LNGを主燃料とする次世代船で,独マイヤー・ヴェルフトで建造され,10月24日に引き渡された。2022年就航のディズニー・ウィッシュDisney Wishの同型2番船である。 (DISNEY CRUISE LINE)
トヨフジ海運のLNG燃料自動車船が,去る11月15日,三菱重工下関造船所でトランス・ハーモニー・エメラルドTrans Harmony Emeraldと命名され進水した。三菱造船が2隻受注したうちの2番船で,2025年6月に引き渡され,日本~東南アジア航路に就航する。先に進水した1番船トランス・ハーモニー・グリーンTrans Harmony Greenは2025年2月就航の予定。写真は進水後艤装岸壁に着岸直前の姿で,向こう側に1番船が見える。49,500総トン,全長195.0メートル,幅30.6メートル,速力19.5ノットで,車両積載数3,000CEU。主機および補機に二元燃料ディーゼルを装備し,従来比でCO2 35パーセント,SOx 99パーセント排出削減できる見込み。トヨフジ海運のアジア環境フラッグシップとして,トヨタ車をはじめとする完成車輸送に従事する。 (三菱重工)
郵船クルーズは11月11日,新造クルーズ客船飛鳥Ⅲの船内を彩るアート作品公募展の受賞・入選作品を発表した。約2,300点から木村直広氏の絵画“夜へと誘う”がグランプリに選ばれた。賞金100万円と200万円相当の飛鳥Ⅲクルーズチケットが贈られる。ほかに準グランプリ3点,審査員賞7点など入選作品を含む126作品が選ばれた。授賞式は12月22日に横浜港停泊中の飛鳥Ⅱ船内で行なう予定。公募展は飛鳥Ⅲ船内に約2年間常設展示する絵画,写真を“日本の四季を旅する”というテーマで一般公募したもので,著名な芸術家など7人が審査した。なお,ドイツで建造中の飛鳥Ⅲは,年明け1月にも建造ドックから引き出される予定といわれる。 (郵船クルーズ) (MEYER WERFT)
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