海上自衛隊は,9月29日,塩釜沖で,海上保安庁との共同訓練を実施した。参加部隊は海上自衛隊が第15護衛隊,護衛艦“しらぬい”,海上保安庁が:第2管区海上保安本部,巡視艇“まつしま”“うみぎり”,MH968回転翼機。訓練項目は①総合的な対処・連携強化に係る訓練として,情報共有訓練,護衛艦と巡視船の運動要領等に関する訓練,②重要施設等に向かう不審船を想定した,共同追跡・監視訓練,停船措置訓練。
9月30日,防衛省は,米ロッキード・マーチンの試験施設に搭載中のイージス・システム搭載艦(ASEV)1番艦用のSPY-7(V)1レーダーが,艦艇搭載化に向けた統合試験を開始したと発表した。このSPY-7(V)1のアンテナは本年6月に同社から防衛省に納品され,同社の試験施設に組み込み試験に備えていたもので,イージス武器システムに連接し,実目標の捜索,探知,識別,追尾等,レーダーとしての一連の機能が検証される。さらに今後は2番艦向けアンテナの試験も予定されており,これらは試験終了後,日本に輸送され,造船所で建造中の艦に搭載される。
昨年2月に防衛省が設置した防衛有識者会議(座長榊原元経団連会長ほか16名)は,9月19日,近く改訂される国家防衛戦略等についての提言を発表した。提言では,わが国周辺国の活動が活発化する中,反撃能力や継戦能力も含め,抑止力・対処力のさらなる強化を喫緊の課題とし,無人アセットやVLS搭載潜水艦等の戦略装備の導入を検討すべきと記した。さらにVLS搭載潜水艦については,「次世代の動力」の活用(原潜保有)を検討し,必要な研究・技術開発を行なっていくべきであるとしている。
防衛省は,10月7日,海上プラットフォーム向けに開発中の2タイプのスタンド・オフ・ミサイルについて,先頃,開発社の三菱重工と,相次いで量産契約が成立したと発表した。これらは潜水艦の魚雷発射管から発射される潜水艦発射型誘導弾と,水上艦の専用4連装発射筒等で運用される12式地対艦誘導弾能力向上型(艦発型)で,前者は9月1日付け,後者は10月6日付けでそれぞれ契約された。部隊での運用開始はいずれも令和9年度(2027年度)頃を予定している。
9月中,防衛省・自衛隊は,わが国近海で,中国海軍の新型空母福建Fujianと,ロシア海軍の新鋭戦略原潜ボレイBorey型の行動を初めて確認した。 ▷9月11日,午後1時頃,海上自衛隊は,沖縄県魚釣島の北西約200キロを南西進する中国海軍の空母福建,ソブレメンヌイSovremennyy級駆逐艦(艦番号136),旅洋II型駆逐艦(同152)を確認した。 ▷9月24日午前5時頃,海上自衛隊は,北海道宗谷岬の北東約40キロを西進するロシア海軍のボレイ型戦略原潜,スラヴァSlava級巡洋艦(艦番号011),バクラザンBaklazhan型救難曳船を確認した。 これらに対し,海上自衛隊は,第2航空群(八戸)および5航空群(那覇)所属のP-3C哨戒機,第1ミサイル艇隊(余市)所属のミサイル艇“わかたか”等により,警戒監視・情報収集を行なった。
8月5日,日本政府とオーストラリア政府は,豪海軍が計画中の次期汎用フリゲイト(次期FF)に,わが国の4,800トン型護衛艦(新型FFM)ベース案が選定されたと発表した。わが国からの完成品の装備品移転は,フィリピンへの警戒管制レーダーに引き続き2例目となる。新型FFMは,ライバルの独MEKO A200型ベース案とともに,豪次期FFの最終候補として残され,これまでわが国はその受注競争に取り組んできた。豪政府は今回の発表に先立つ8月4日の内閣国家安全保障委員会(NSC)で日本案の採用を決定し,同日深夜にマールズ副首相兼国防相から中谷防衛大臣に電話会談のかたちで意向が伝えられていた。 豪政府は急速に退役化が進むアンザックAnzac級フリゲイトの代替として,最大100億豪ドル(約9,500億円)規模で, 11隻の次期FFの整備を計画しており,今後は最終的な価格等について,三菱重工と年内の契約締結を目指して交渉が進められる。計画が順調に進めば,豪次期FFは最初の3隻が日本国内で,残りが豪西部パースのヘンダーソン造船所でそれぞれ建造され,豪海軍への1番艦の引渡しは令和11年(2029年)が予定さ
8月12日,英空母プリンス・オブ・ウェールズPrince of Walesを中心とする空母打撃群が横須賀等に来航した。英空母の来日は令和3年9月のクイーン・エリザベスQueen Elizabeth以来。
7月30日,防衛省は,これまで陸海空自衛隊が,中央行事として持ち回りで行なってきた観閲式,観艦式および航空観閲式について,今後当面の間,中止すると発表した。令和7年度は,観艦式の開催が予定されていたが,防衛省は今年初め頃からその中止を検討していたとされる。中谷防衛大臣は,8月1日の会見で,こうした行事には非常に多くの人員を必要とし,また警戒監視等の各種任務にも影響を及ぼす恐れがあることから中止に至ったと述べた。
6月30日~9月4日,海上自衛隊は各国と以下の訓練を実施している。 ▷米ウクライナ共催多国間演習(シーブリーズ2025),6月30日~7月11日,英ポートランド周辺海域で実施。海自参加部隊は掃海隊群司令部(水中処分員など9名),海幕(潜水医官1名),主要訓練項目は水中処分訓練,潜水訓練。 ▷日マーシャル共同訓練,7月7~11日,マーシャルのマジュロおよび同周辺海域で実施。参加部隊は海自がIPD25派遣立入検査隊,マーシャル海上警察が海上警察職員。訓練項目は立入検査訓練および舟艇整備訓練。 ▷対潜特別訓練(日米共同訓練),7月11~12日,房総沖で実施。参加部隊は海自が潜水艦,SH-60K哨戒ヘリコプター,米海軍が潜水艦。訓練項目は対潜戦訓練,PHOTOEX。 ▷日メキシコ親善訓練,7月15日,メキシコのアカプルコ沖で実施。参加部隊は海自が練習艦“かしま”“しまかぜ”,メキシコ海軍が哨戒艦1隻。訓練項目は戦術運動,通信訓練およびPHOTOEX。なお“かしま”と“しまかぜ”は,7月11~
10月3~14日,砕氷艦“しらせ”は以下の日程で,令和7年度総合訓練を行なった。▷名古屋(3~6日),▷神戸(10~12日),横須賀(14日)。主要訓練項目は①各種部署訓練,②航空機発着艦訓練,③観測関係者の艦上訓練支援(海洋観測訓練支援)。
海上自衛隊は,7月30日~8月1日,9月3日,9月9日,令和7年度海上自衛隊演習(図上演習〈日米共同演習〉)を行なう。場所は海上作戦センターおよび演習参加部隊等の所在地。参加部隊等は自衛艦隊,各地方隊,システム通信隊群,海上自衛隊補給本部など。主要演練項目は各種作戦および各事案への対応要領。
令和6年度末の3月17日付けで,“やまぎり”が護衛艦から練習艦に再度種別変更され,艦番号もDD-152から以前の練習艦時代のTV-3515に改められた。またこれに伴い配属先が,護衛艦隊第11護衛隊(横須賀)から練習艦隊第1練習隊(呉)に変更された。
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