8月2日,練習船“こじま”(PL-21,呉海上保安部所属)は,総航程約46,300キロ,総日数101日の航海を終えて母港の呉に帰投した。 本船は4月24日,実習生52名(うち女性9名),乗組員39名(うち女性6名)の計91名を乗せて呉を出港し,東回りでアメリカ(サンフランシスコ,ボルティモア),ギリシア(ピレウス),シンガポール,フィリピン(マニラ)に寄港しつつ訓練を行ない,世界中の海をめぐることで国際感覚を養った。
4月1日,北海道の釧路航空基地に機動救難士が配員され,6月4日,発足式が挙行された。 機動救難士の配員は全国で10カ所目となり,今秋以降には,3機目のヘリコプターも配備される予定である。昨年4月に発生した知床沖観光船事故を受けて,海難救助への即応体制や災害対処能力の強化が進んでいる。
6月21日,巡視艇“でいご”(CL-153,那覇海上保安部所属)とパラオ巡視船ケダムKedamが,沖縄近海で通信設定訓練と連携行動訓練を実施した。 海上保安庁とパラオが訓練を実施するのはこれが初めてである。ケダムは2017年12月,日本財団からパラオに供与されたが,修理先の鹿児島からパラオに帰投する際,今回の訓練を行なったもの。なお,これに先立つ同15日,ケダムの乗員は種子島海上保安署を訪問している。
6月29日,第10管区海上保安本部は,新造PLH搭載用のスーパーピューマ225型ヘリコプター4機の愛称を“おおたか”1号,2号と“ゆみわし”1号,2号に決定した。“おおたか”が巡視船“あさなぎ”(PLH-43),“ゆみわし”が巡視船“ゆみはり”(PLH-44)搭載用で,鹿児島海上保安部に配備される。
7月1日,舞鶴の海上保安学校で五森祭が開催された。演奏会やカッター・レースなどの各種イベントのほか,巡視船“みうら”(PL-22)の体験航海や学生生活・業務説明などのオープン・キャンパスも実施され,市民ら約1,700名が来場した。
6月22日,海保と海自は有事を想定した初の実動訓練を実施した。 この訓練は伊豆大島沖で行なわれ,巡視船“さがみ”(PLH-03)のほか,海自から護衛艦“やまぎり”,SH-60K哨戒ヘリコプターが参加し,海自が周辺海域のパトロールを実施し,“さがみ”が離島の住民らを安全な地域に避難させる想定であった。 なお,訓練に参加した巡視船“さがみ”にはオレンジ色地に青色の正三角形をあしらった特殊標章が掲げられていた。
有事の際,防衛大臣が海上保安庁長官を指揮下に置き,海上保安庁を統制下に置く「統制要領」が4月28日に公表されたが,これを受けて,海保は国際法による国民保護の特殊標章を船艇および航空機に常備する方針を固めた。 この標章はジュネーブ条約に基づくもので,海保船艇や航空機が国民保護の任務に従事する際に掲げ,当該船艇および航空機が軍事性を持たないことを明示し,敵の攻撃を受けないようにする。
6月21日,海上保安庁は,巡視船“えちご”(PLH-08,第9管区新潟海上保安部所属)の座礁事故に関し,事故調査委員会による調査結果を公表した。 本船は今年1月18日,新潟県柏崎市椎谷鼻沖で座礁したが,この報告書によると,その原因は以下のとおり。 ①椎谷鼻灯台確認のため陸岸に接近した際,事故時の操船指揮者の航海長が,海図による水深の確認や航行中の自船の位置を確認するなどの基本的な事項を怠り,灯台から700メートルの浅瀬に乗り揚げたこと。 ②航海長が操船担当の航海士補との情報共有を怠ったこと。 ③船長が航海長に対する管理監督が不十分であったこと。 以上が挙げられており,これに対する再発防止策として,安全運航マニュアル活用状況の船長による点検,夜間航海などを想定した当直訓練,危険を伴う業務についての船長への報告基準の明確化,などを実施するという。 なお,今年2月からジャパン マリンユナイテッド舞鶴事業所で修理を行なっている“えちご”の修理は,約1年を要する見込みである。
7月4日,新型巡視船“いつくしま”(PL-23)が,三菱重工下関造船所江浦工場で進水した。本船は令和2年度第3次補正計画による新型の大型練習船で,海上保安庁最大のPLとなる。船橋が上下2層になっており,上層が実習船橋で,下層が航海船橋である。後部にはレセプション・スペースを兼ねた学生教室を備えている。就役は令和6年度の予定で,呉の海上保安大学校に配備される見込み。
7月6日,三菱重工下関造船所江浦工場で,新造巡視船“あさなぎ”(PLH-43)が海上保安庁に引き渡された。本船は令和元年度(2019年度)補正計画による“しゅんこう”型(ヘリコプター2機搭載型)の2番船で,4年6月30日に進水し,このほど就役に至ったもの。配属先は鹿児島海上保安部(10管)。総トン数約6,000トン。
5月9日,海上自衛隊は,八戸航空基地の第2航空群で, 試験的に導入したMQ-9Bシーガーディアン無人機の実運用テストを開始した。これは,現在,海上自衛隊が固定翼哨戒機で行なっている警戒監視などの任務の一部を,将来的に無操縦者航空機により代替可能か検証するものである。MQ-9B は,米空軍のMQ-9リーパー攻撃型無人機をベースに,海上偵察仕様に変更したもの。 すでにわが国では,昨年10月から,海上保安庁が八戸航空基地で,リース契約によってMQ-9Bの運用を行なっており,5月9日現在は3機体制となっている。海上自衛隊が実運用テストを行なう機体は,海保の3機目の機体と共用である。
政府は,「国家安全保障戦略」に基づく,有事における自衛隊と海上保安庁の連携のあり方について,このほどその統制要領を策定し,4月28日,防衛省から公表した。 この中で,わが国への武力攻撃事態が発生し,自衛隊と海上保安庁が,通常の協力関係では効果的かつ適切な対処が困難であると判断された場合,海上保安庁長官を,防衛大臣の指揮下に入れることができると定めた。 さらに両者の具体的な役割として,自衛隊は作戦正面に集中し,海上保安庁は国民保護や海上における人命保護等で最大限の役割を果たすとした。
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