東海汽船は5月29日の取締役会で,レストラン船事業から6月30日付けで撤退することを決めた。100パーセント子会社で1988年設立の東京ヴァンテアンクルーズは解散・清算する予定だ。近年の競合の激化,船舶の老朽化に伴う維持整備費の増加などに加え,新型コロナウイルスの影響による損失拡大から,事業継続を断念したという。運航しているレストラン船ヴァンテアン(1,717総トン,船客定員700人,1989年竣工,三菱重工業下関造船所建造)は新型コロナウイルスの影響で4月から全便運休している。 (編集部)
豪オースタルのベトナム造船所で5月22日,トリニダード・ドバゴ向けオートエクスプレス94型カタマラン,A.P.T.ジェームズA.P.T. Jamesが進水した。トリニダード・ドバゴ国営のNIDCO(National Infrastructure Development Company)が発注したもので,船客定員926人,乗用車250台積載,航海速力37.5ノット,マリーンリンク・スマートと呼ぶオースタルの最新技術を採用している。2018年11月に開所した同造船所最初の建造船である。新型コロナウイルスの影響で当初よりスケジュールが遅れ,2020年7月末に竣工する予定。 (AUSTAL)
三井E&S造船は5月22日,神戸大学と新練習船の建造契約を締結したと発表した。現有の深江丸(449総トン,1987年三井造船建造)の代船で,約830総トン,全長59.6メートル,幅11.0メートル,深さ6.7メートル,航海速力約12.0ノット,定員66名,2022年3月の竣工予定。新船は社会状況の変化に伴い,練習船としての機能強化のほかさまざまな教育・研究活動や社会貢献などに対応する「多機能練習船」となる。神戸大学では2019年10月に新研究組織「海共生(うみともいき)研究アライアンス」を設立,2021年4月には海洋政策科学部(仮称)を設立予定で,これらを“海神(かいじん)プロジェクト”と名付け,「海の神戸大学」を目指す全学的な取組みを推進している。新練習探査船の建造もこの一環として行なわれる。
先月号「ニュース・フラッシュ」欄既報のゼロ・エミッション・タンカーを発注した旭タンカー,商船三井など7社は,5月21日,ゼロ・エミッション電気推進船(EV船)の開発,実現,普及に向けた取組みを通じ,新しい海運インフラサービスの構築を目指す「e5(イーファイブ)コンソーシアム」を設立したと発表した。メンバー各社それぞれの強みや技術ノウハウ,ネットワークなどを融合させ,EV船を基礎とした海運インフラサービス提供のためのプラットフォームを構築していく。EV船は内航海運が直面する船員不足や高齢化といった問題と,温室効果ガス排出削減の2つの課題を解決する有力な手段として注目され,災害時の電力供給や通信基地,防災船などBCP(事業継続計画)への貢献についても期待度が高い。 「e5」とは,「electrification(電気化)」「environment(環境)」「evolution(進化)」「efficiency(効率)」「economics(経済性)」の5つの「e」を示し,これらを実現することで安心・安全・良質な輸送サービスを社会に提供すること。 (旭タンカー/
中国招商局金陵船舶(威海)造船所(CMI Jinling Weihai Shipyard)で建造されているステナE-フレクサー型のコート・ドパールCôte d'Opaleの進水式が,5月20日に行なわれ,無事浮上して22日にドックから移動した。同船はスウェーデンのステナが発注している大型カーフェリーの5隻目で,2021年6月に竣工の予定。デンマークのDFDSが10年間のチャーター契約を結んでおり,英ドーバー~仏カレー航路に投入する。船客890人,車両レーン長3,100メートル規模で,既存タイプと異なり,短距離のドーバー~カレー航路仕様となっている。 (招商局金陵船舶威海有限公司)
日本郵船は5月20日,タグボートを使用した遠隔操船実船試験に成功したと発表した。これは日本郵船とグループのMTI(Monohakobi Technology Institute),京浜ドック,日本海洋科学が共同で実施したもので,「有人遠隔操船システム」を搭載した東京湾上のタグボート(グループ会社新日本海洋社の吉野丸)を,約400キロ離れた西宮市の陸上支援センターから操船,東京湾内の横須賀港沖~本牧沖(約12キロ)を航行させ,船陸間の航海計画の共有や通信および制御状況などを確認した。写真はYou Tubeで公開された航行試験中の一齣で,仮設の障害物を遠隔で避航するシーン(https://youtu.be/YGn-2ifrYvY)。 テストは国交省が2025年までの自動運航船の実用化に向け実施している「操船支援機能と遠隔からの操船等を活用した船舶の実証事業」の一環。 (日本郵船)
クォーク・エクスペディションの新造探検クルーズ船ウルトラマリンが,去る5月20日,クロアチアのブロドスプリト造船所で進水した。新型コロナウイルスの影響により工程が遅延しており,引渡しは今年第4四半期とされるが,デビューは来年5月スピッツベルゲン島クルーズになる予定。13,762総トン,全長127.97メートル,幅21.5メートル,吃水5.1メートル,主機ディーゼル・エレクトリック,出力15,228馬力,航海速力16ノット,船客定員199名。船体はアイスクラス1Aスーパー(PC6同等)の耐氷仕様である。 (BRODSPLIT) (QUARK EXPEDITIONS)
海上保安庁の動画サイト(YouTube)に、今年竣工した新鋭巡視船の魅力的なドローン動画がアップされている。れいめいPLH-33https://www.youtube.com/watch?v=YEvNgiB9QrUしゅんこうPLH-42https://www.youtube.com/watch?v=hm7dO5kF0vwつるがPL-91https://www.youtube.com/watch?v=x0nfW6J6Rao
フィンランドの舶用機器メーカー,ヴァルチーラ社は5月19日,商船三井が建造する日本初のLNG燃料フェリーにLNG主機・燃料関係のパッケージを提供すると発表した。今年第2四半期に契約された。同社の31型二元燃料エンジン,減速機,LNGパック(LNGタンク,供給ステーション,関連機器や制御・監視システムなどを含むLNG燃料操作システム)を,フェリーさんふらわあの“さんふらわあ くれない”級(2隻)に搭載する。31型エンジンはギネスにも登録された高効率エンジンで,国交省と経産省の「内航海運の省エネルギー化実証事業」に採用されたこのプロジェクト用として最適なことからセレクトされた。全長約200メートル,航海速力22.5ノット,船客約763人,トラック136台,乗用車100台積載。建造は三菱下関で,2023年に大阪~別府航路に就航する予定。 (MOL)
日本外航客船協会(JOPA)は新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインを作成し,5月14日付けで発表した。外航旅客船事業者が事業実施のために必要な感染拡大予防策として,流行が終息するまでの当分の間,推奨される実施事項を整理したもので,国交省の要請に基づいてまとめられた。乗客や乗組員への感染予防策,有症者が発生した場合や有症者の感染が確定した場合についてなど,項目ごとに乗船拒否の判断や乗組員の上陸について記載されている。5月時点での政府や専門家の対処方針を踏まえて作成されており,内容は適宜更新される。日本旅客船協会,日本内航海運組合総連合会,日本旅行業協会,日本ホテル協会などの各団体も同様のガイドラインを発表している。
新型コロナウイルスで運休している中国アストロ・オーシャン・クルーズのピアノ・ランドPiano Land(69,153総トン,船客1,822人,1995年竣工)が,このほど改装された。新カテゴリーの船室やレストランの新設,既存船室へのベッド増床,ショッピングエリアの拡張などのほか,新型コロナウイルス船内感染の事態を重く見て空調設備も一新した。同船は元P&OクルーズのオリアナOrianaで,昨年10月にデビューしたが,新型コロナウイルスの影響で1月下旬からほぼ上海に停泊していた。
中部地区で船舶へのLNG燃料供給に従事する日本初のLNGバンカリング船が,去る5月13日,川崎重工坂出工場で進水した(未命名)。来たる9月末に竣工後,セントラルLNGシッピング(CLS)が所有,セントラルLNGマリンフューエル(CLMF)が運航し,JERA川越発電所(三重県)を拠点にShip to Ship方式でのLNG燃料供給に従事する。4,100総トン,全長81.7メートル,幅18.0メートルで,LNG積載量は3,500立方メートル。CLSとCLMFは2018年,LNG燃料供給事業推進のため日本郵船,川崎汽船,JERA(中部電力と東京電力の合弁企業)および豊田通商の4社が共同で設立し,同年7月に川崎重工に本船を発注した。LNGは重油に比べSOxや粒子状物質(PM)はほぼ100パーセント,NOx最大80パーセント,CO2約30パーセントの排出削減が見込まれることから,船舶燃料のLNG化による環境負荷低減への貢献が期待されている。 (川崎重工提供)
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